株式会社Evoque
◆鹿児島県指宿の自然の恵み「温泉熱」を活用し、AI、Iot Techの融合により、“小さな栄養パワーハウス”「コオロギ」由来タンパク質の生産を行い、飼料メーカーに家畜飼料向けタンパク質として供給します。
◆当社の特徴は、エコ循環システム、電気代0円の低コスト運営など環境負荷の低減を図りながら、家畜飼料向けタンパク質源の多様化に資することです。
◆地元の農家や水産加工業者の方々と一緒に、地域経済の活性化と循環型社会の実現を目指すアグリテックのスタートアップです。
〈解決する課題〉
・世界情勢に影響を大きく受ける畜産飼料の海外依存の高まりと価格高騰
・国内畜産農家の経営の不安定化と持続可能な食の継承の危機
・世界人口の激増と肉食文化の拡大による既存の畜産由来のンパク質の供給不足「タンパク質危機」
・農業、畜産に伴う温室効果ガスの排出と、水資源の大量消費など環境負荷の増大
〈解決する方法〉
・栄養価に優れたコオロギ由来のタンパク質の衛生的、安定的、効率的な生産供給体制の確立し、国内の畜産飼料向けタンパク質として供給、一部は海外向けに食用パウダーを“Japan Brand”として提供
・指宿の温泉熱を利用したコオロギ生産による電気代の削減、環境負荷の低減
〈ビジネスモデル〉
・AI、Iotを駆使した効率的な自動生産体制の構築
・バイオ技術を活用したノンゲノム編集(非遺伝子組み換え)による強い個体の生成
・自然の恵み温泉熱を活用し電力代をゼロへ!
・低コスト運営の実現と海外製品との競合できる価格競争力の確保
・電力使用を極小化することによる環境負荷の低減
・ターゲット市場の明確化と適合する市場戦略
・国、地域におけるニーズの分析とパートナーシップの確立によるマーケティング、広告宣伝費の抑制
● 我が国の畜産業は、飼料原料(穀物や魚粉など)の多くを海外からの輸入に依存しており、供給の安定性や価格変動に対する脆弱性が課題となっています。飼料費が畜産経営コストに占める割合は高く、牛で3~5割、豚や鶏で5~6割です。
● 紛争の発生や気変動などによる穀物生産の減少、人口増による食用需要の拡大による畜産向け供給の圧迫(*)、為替相場の変動などにより、畜産飼料は高騰を続け畜産農家の経営を圧迫しています。
(* 世界の大豆生産量の90%が畜産用飼料として使われています。)
● 「濃厚飼料」は飼料全体に占めるTDNベース(※養分の総量)の割合は80%である一方、その85%を輸入に依存しています。
(※ TDNとは畜産が消化できる養分の総量でカロリーに近い概念)
畜産飼料は、粗飼料(乾草、サイレージや稲わら)、濃厚飼料(とうもろこし、こうりゃん、大麦などの穀物類と、大豆粕などの植物性タンパク質、魚粉などの動物性タンパク質)から成ります。
(出所:農林水産省「飼料をめぐる情勢 畜産局飼料課(令和4年12月)」)
(出所:農林水産省「飼料をめぐる情勢 畜産局飼料課(令和4年12月)」)
● 世界人口が増加する中で、タンパク質の供給不足が深刻化(「タンパク質危機」)います。食用のみならず畜産飼料用タンパク質を安定的に供給することも課題です。食用タンパク質の増産のため畜産生産の拡大が行われていますが、そのためには畜産用飼料に配合されるタンパク質もより多く必要となります。
畜産飼料には植物性タンパク質や動物性タンパク質が配合され、畜産の成長や免疫力(酵素やホルモン生成に関わるため健康維持に寄与)向上に重要な役割を果たしているためです。
● タンパク質危機を乗り切るため、昆虫由来のタンパク質もタンパク質源として注目されており、食用や畜産用に利用する試みが世界中で行われています。
※大手総合商社も昆虫由来ベンチャーへの出資・協業を加速
● 当社では、先ずは国内において畜産用にコオロギ由来のタンパク質を活用することを目指して、畜産生産の拡大を支援します。
● 日本では人口減少が進んでいますが世界人口は2030年には85億人、2050年には98億人に達すると予測され、人口増加と食糧需要の増大により、2025年~2030年にはタンパク質供給が追いつかなくなると予想されています。安全保障という観点からも既に食の争奪戦は始まっています。
参考:FAO(国際連合食料農業機関)は、タンパク質危機への対応策として、タンパク質が豊富で飼育に必要な水や飼料が少なく、飼育時の温暖効果ガス排出量の少ない昆虫食を推奨しています。
(出所:FAO 2013年「食品および飼料における昆虫類の役割に注目した報告書」)
● 「タンパク質危機」は、日本にとってはタンパク源の農畜産物だけでなく畜産飼料向けの植物性タンパク質や動物性タンパク質についても、価格の高騰や必要量の確保が難しくなることが予想されています。
● 激増する世界人口に対して既存の畜産の生産量の増産は大量の飼料=穀物が必要となり、森林が破壊される点や、いずれ土地も資源も追いつかなくなるといった点が課題視されており現実的ではありません。
● 近年、食物生産に係る環境問題がクローズアップされております。畜産によるメタンガス排出による温暖化、土壌の疲弊など環境負荷が問題となっており対応が求められています。また稲作等の農業における水資源の大量消費も大きな課題となっており、地球に存在する淡水の約70%を農業で使用しており、人口増加に伴う水不足に拍車をかけております。
〈温室効果ガス〉
農業による温室効果ガスの排出量は全世界の温室効果ガスの排出量の10%に相当します。農業では水田や農地土壌、肥料などから温室効果ガスが排出される他、畜産の消化器官内発酵や排泄物から温室効果ガスが発生しており課題となっています。
農業においては大量の水資源(淡水)を使用します。
稲作においては水田に大量の水を要する他、その他の農業においても大量の淡水を使用しており、地球上に存在する約70%の淡水は農業に使用されていると推計されます。
また畜産業においては畜産への直接の給水だけでなく、畜産飼料を生産する際にも大量の淡水を使用することから大きな課題となっております。
また、農林水産省が事務局を担うフードテック官民協議会における昆虫ビジネス研究開発ワーキングチームにおいて、食品及び飼料としてのコオロギ生産が遵守すべき内容が検討され、その内容が昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム事務局(地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所内)により「コオロギの食品および飼料原料としての利用における安全確保のための生産ガイドライン(コオロギ生産ガイドライン)」としてまとめられています。
※当社は当該ガイドラインに準拠してコオロギの生産を行っております。
国内市場向けにコオロギ由来のタンパク質を畜産飼料として供給し、輸入依存を減らし、安定した供給を実現します。
現在、当社では、複数の国内畜産飼料メーカーと共にコオロギ由来タンパク質の畜産飼料への配合について実証実験を実施しております。
シンガポールから食用向けコオロギ由来タンパク質(パウダー加工)を受注し、年末から「Japan Brand」として輸出する計画です。品質、生産管理、衛生面などの面で高評価を得ます。
● 他の事業者の経営を圧迫したのがコオロギ飼育のための暖房費ですが、当社では鹿児島県指宿の温泉熱を利用することで、電力を使用せず通年コオロギ飼育に必要な25度を保つことができます。温泉熱の利用により、タイなど諸外国と比較しても高いコスト競争力を持ちます。
● コオロギのエサについてもこれまでの事業者にとっては大きな課題でした。当社は、地元農家や水産加工業者との連携により無農薬の規格外野菜や規格外水産加工品を利用することエサ代の低減に繋がっています。
またコオロギの生産の過程で発生する糞や餌の残渣を農業用の肥料として提供することで地域循環型のエコシステムを構築しております。
● 指宿市は地方都市として人口減少、少子高齢化が進み地域産業の衰退が進みつつあります。当社では地元との連携を始めとして新規産業の創造や地域の雇用創出や活性化など、循環型社会の実現のためにむけた取り組みは地域でも評価されています。
コオロギの大量生産は、飼料としての有望性が注目されていますが、次のような技術的・経済的な課題も指摘されております。そこで、当社では、どのような生産システムによってこのような課題を克服したか説明します。
コオロギの飼育には25~30℃の温度と適度な湿度が必要です。温度や湿度の変動が大きいと、成長や繁殖に影響し、生産効率が低下します。大規模施設では、この環境を安定して維持するためのエネルギーコストが高くなることが課題です。
⇨寒冷地では冬場の光熱費が約200万円と経営におけるコスト要因となっています。
コオロギも集団飼育による病原菌感染や寄生虫のリスクにさらされます。特に大規模生産では、個体が密集するため感染拡大が懸念され、予防策として高度なバイオセキュリティが必要です。また、飼育に失敗した場合の経済損失も大きくなります。
コオロギが効率的に成長するためには最適なエサの配合が重要となり、コスト高となることがあります。
⇨コオロギは体内でエサを生物濃縮することから安全なエサを給仕することが不可欠です。
自然界では土壌に重金属等が含有されていることから、それをコオロギが体内に取り込み体内で重金属が生物濃縮される等のリスクがあります。
従来の畜産と比べ、コオロギの大量生産には自動化技術が未発達な部分が多く、人手を要する工程が多いです。例えば、産卵から成虫までのモニタリングや収穫工程には、効率化が求められます
コオロギ食の危険性として重金属(カドミウム等)が生物濃縮される問題がありますが、当社ではコオロギの餌にもこだわり自社生産した無農薬飼料を提供することにより生物濃縮リスクを極小化しております。当社のコオロギは100% ピュアオーガニックです。
1年以上にわたり実証実験を実施して得られたコオロギの生育のデータに基づき、コオロギの効率的な生産を実現するために独自の生産方法(餌の栄養バランスの配合、温度・湿度、照射、環境)を確立しております。その結果、共食いリスクの極小化を実現しただけでなく、死亡率の低下、成虫までのリードタイムの短縮を実現しました。
温度や湿度の記録管理に加えコオロギの成長係数を組み合わせることでコオロギ生産に最適な環境を維持する他、過去のデータと組み合わせることにより成長予測を可能とし確実な生産体制の構築に寄与します。
コオロギの生産は環境負荷が小さいことが特色ですが、当社では更に指宿の恵みである温泉熱を利用し温度管理をすることで一層の環境負荷の低減を実現しています。コオロギの生産には通年気温を25度以上に保つことが不可欠ですが、指宿の温泉資源を活用することにより暖房費の削減により電力使用量(生産場の暖房費)を0とすることが可能となります。温泉熱利用により、電気代が極小化することでタイなどの諸外国と比較してコスト競争力が高いことも当社の強みです。
コオロギ生産における秋季、冬季の電力料金(他社事例をもとに産出)
5. 地元農家や水産加工業者との連携、地域の産業創出と活性化
地元農家や水産加工業者との連携により無農薬の規格外野菜(販売不能や不要部位)や規格外水産加工品を餌として利用するなど循環型社会を実現していきます。コオロギ生産を指宿の新たな産業として展開することで、地域の雇用創出や活性化を実現します。
畜産飼料の拡大とともに、配合されるタンパク質の需要も増しています。タンパク質は家畜の成長や免疫力(酵素やホルモン生成に関わるため健康維持に寄与)向上に重要な役割を果たしています。
国内の畜産飼料市場への安定供給基盤を確立し、MADE IN JAPAN品質のコオロギ由来タンパク質として世界の畜産飼料市場への展開を目指します。
シンガポールについては食用のコオロギ由来のタンパク質の引き合いがあり、2024年12月から輸出を開始予定です。タンパク質危機を控え、海外からの食用のコオロギ由来のタンパク質(コオロギパウダー)の需要も拡大するとみられます。
コオロギの自動生産システムの開発を進めており、当システムを兼業農家、起業家や新規事業を開始したい事業者へ販売することにより、持続可能な収益源を確立するとともに、畜産用飼料向けコオロギ由来のタンパク質の普及を図ってまいります。
当社は、コオロギ生産のノウハウをITシステム化し自動化する計画です。また、同時に加工技術の開発も進めており2025年2月に加工設備を導入する計画です。
更に、今後コオロギの生産拡大が予測されるなか、当社のノウハウを活用したシステムを外販することを計画しており、コオロギマーケットの拡大に貢献してまいります。
• 24時間監視システム
• 自動給仕・給水システム
• コオロギの状態による餌の自動配分システム
• 自動温度・湿度管理システム
• 自動照射システム
• 生産ログ記録システム
数値計画の詳細につきましては、こちらの書面をご覧ください。
新株発行概要書執行役員
米倉 由晋
米国大手金融機関にて不良債権の価値算定、担保不動産の価値向上及び売却戦略の立案業務に携わり、世界5大会計事務所コンサルティング部門では大手証券会社や上場会社に対し経営管理面の支援業務に従事した後、上場を目指す企業などで役員として経営企画や管理部門を統括。その後、経営コンサルティング会社や農業推進の会社を立ち上げ、当社に執行役員として参画。
10株 100,000円単位
上限募集額を発行する場合の払込金額の総額(上限募集額を発行の場合)3,000万円から発行諸費用の約690万円を差し引いた後の手取概算額2,310万円については、①生産システム(1,000万円)及び②粉末加工システム(1,310万円)の開発に充当されます。
発行総額が目標募集額(300万円)以上で上限募集額(3,000万円)未満の場合、発行諸費用を除く手取概算額(221万円~2,310万円)については、調達額に応じて生産システムの一部機能の開発を優先し①~②の順で充当されます。
自社による株主名簿管理となります。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。