シンコムアグリテック株式会社
世界一のオーガニックコットン生産者へのロードマップ
Ⅰ. 第1回ECF(2021年9月)からオーガニックコットン生産事業開始までの経緯
◆当初2021年度中にはベトナムでのコーヒー栽培の実証実験が終わり、2022年度から本格的に栽培が開始する計画でしたが、コロナ禍によるベトナム国内のロックダウンの影響により実証実験を完了できませんでした。また、並行して準備してきたウクライナとロシアの「大豆」のオーガニック技術分野とトレーディング分野の実証・展開は、2022年ロシアのウクライナ侵攻により「ウクライナ、ロシアの大豆」事業は中断を余儀なくされました。
◆一方でコットン業界にあっては、同時期の2021年に中国新疆綿が児童強制労働により世界中からバッシングを受け、大手アパレルメーカーの中国新疆綿の使用中止と中国新疆綿を使ったアパレル商品の不買運動につながりました。
Ⅱ.南インドにおける「TSIオーガニックコットン」の生産開始
◆2022年秋より、綿花のトライアル生産を開始、2023年春に紡績、綿糸を初輸入。
◆2023年12月、(株)TSIホールディングスと資本業務提携を締結。
資金面のサポートで栽培面積の拡大とサプライチェーンを構築。
*(株)TSIホールディングス:東証プライム上場の総合アパレルメーカー
◆現在、有機認証を申請・取得中。
◆2024年に栽培をスタート、2025年初春に収穫し、TSI傘下のカジュアルブランドへの採用に向けてワークしています。インド・タミルナドゥ州では、既に2025年夏の作付け用として600ヘクタールの耕作地を確保し、毎年倍増の計画で耕作地を増やします。
◆2029年末までに南インドでの栽培面積を約10,000ヘクタールに拡大するとともに、北インドにおいても栽培を開始し南インドでの展開よりも早いスピードで栽培面積10,000ヘクタール超を目指します。
◆南インドおよび北インドでの総栽培面積が20,000ヘクタールに達すると、当社は「世界一のオーガニックコットン生産者」となります。
1.「コットン自給率0%の日本」にオーガニックコットンを安定供給する
私たちの生活にもっとも身近な繊維であるコットン。しかし、その原料となる綿の国内自給率は「0%」です。
衣類や肌着はもちろん、タオル・寝具・カーテン、さらには包帯・ガーゼなど医療・衛生用品に至るまで、コットン製品は私たちの生活に欠かすことのできない存在ですが、今後の国際情勢によっては原料綿やコットン製品が手に入らなくなるかもしれないということは容易に想像ができます。
2.地球環境に多大な影響を与え続けているコットン生産現場の変革
高い汎用性をもつコットンですが、地球環境に甚大な影響を与え続けています。
①化学肥料、化学農薬の大量使用による土壌・水質汚染などの環境破壊
②化学肥料、化学農薬の大量使用による農民の健康被害
③過剰な農業用水摂取による農地の砂漠化
④種の正常な発育阻害と有害な成分醸成の可能性があるGMO(遺伝子組換え)種子の使用率は約80%
【大量の化学肥料、化学農薬使用による水質汚染、土壌汚染】
【水の大量使用】
【遺伝子組換え種子】
【UNSUSTAINABLEな現状】
3.国内外アパレルメーカーの信頼性の確立
アパレルメーカーの信頼性の確立策として、当社は次の項目を実現することで寄与します。
①不明瞭なオーガニックコットン表示からの脱却とトレーサビリティ対策のための生産現場からアパレルメーカーまでのサプライチェーン構築
②オーガニックコットンの適正価格化の実現
③農場での児童労働の撲滅と農家の収入増の実現
④物流最適化によるCo2排出量削減
⑤廃棄物を出さない生産現場の実現
現在輸入されているコットンに表示されているオーガニックコットン表示は不明瞭で中途半端なトレーサビリティが原因です。トレーサビリティ(いつ、どこで、誰が作ったか追跡可能なこと)が不明瞭な生地の輸入が増えると、品質や安全性には期待できなくなってしまいアパレルメーカーへの信頼は失墜してしまいます。
安価なオーガニックコットン製品が増えている背景には、綿花の栽培から収穫、糸や生地への加工、縫製までを海外で行うことが増え、不当な扱いを受けている発展途上国の人々や児童労働・強制労働の存在があることも事実です。
綿は肌着やタオルなど、毎日直に肌にふれる製品に使われることが多いものだけに、健康への影響も気がかりです。
トレーサビリティが不明確なオーガニックコットンを取り扱うことは国内企業の信頼を歪めることにもつながります。
【アパレルメーカーに潜むリスク】
原料あるいは生地のすべてを海外の輸入業者に頼る自給率0%の現状を脱却するために当社は、土壌改良に始まり綿花の種を撒くところから生地の生産までを日本企業主導で行う「準国産化プロジェクト」によりオーガニックコットンの安定供給体制を構築します。
オーガニック栽培により、地球環境に多大な影響を与え続けているコットン生産現状からの脱却を図るとともに、土壌から種、農薬、肥料、綿糸、織布、物流までの完全トレーサビリティを実現することで国内外アパレルメーカーの信頼性確立に寄与します。
当社は、2022年に東証プライム上場のTSIホールディングスとインド南部・タルミナドゥ州における「TSIオーガニックコットン」のトライアル生産を開始しました。そして、2024年8月には土壌改良が終わった耕作地から種まきを行い2025年・年明けの収穫に向けて本格的な生産体制に入りました。
南インド・タルミナドゥ州ではすでに2025年夏の作付け用として600ヘクタールの耕作地を契約・確保、毎年倍増の計画で耕作地を増やします。
また、綿花栽培を担って頂く契約農家は19の村で約900農家と委託契約を結びました。
【南インド、タルミ・ナドゥ州でTSIオーガニックコットンを生産】
15の村の914件の農家と600haの農地から栽培を始める。
【村単位で説明会を開催】
【栽培前の土壌検査と土壌改良】
当社の技術で高品質なオーガニックコットンを生産
【栽培工程すべてに関与(1)】
土壌、種、肥料、病害/害虫/雑草対策と農業のすべてをオーガニックにアップデート
【栽培工程すべてに関与(2)有機肥料設計】
地域の未利用資源を有効活用し、現在利用している化学肥料以上の効果を出す
【栽培工程すべてに関与(3)省力化】
女性の手作業を軽減、2日かかっていた作業が2時間で完了
【栽培工程すべてに関与(4)高品質を実現】
トライアルで栽培したコットンの指標でメジャーなコットン産地と肩を並べている
【栽培工程すべてに関与(5)農家の向上】
昨年までは赤字でヤギを売って生活していた農家の所得を契約栽培により格段に上げる
【環境に配慮(1)アパレル企業のCO₂排出量削減に貢献する】
【環境に配慮(2)すべての資源を有効活用】
綿糸に使われない種(コットンシード)はシードオイルの原料として販売
種の周りのコットンリンターは有機キノコの菌床として販売
【アパレルブランドとの取り組みが成し遂げる企業価値の向上】
※ 有機農業、オーガニック農業とオーガニックコットン
有機の四原則 “有機の国連”ともいわれる国際NGO「IFOAM(国際有機農業運動連盟)」は、オーガニックが依拠すべき基本法則として「健康」「生態系」「公正」「配慮」の4つを掲げています。
そして、一般的にオーガニックコットンとは「農薬や化学肥料を概ね3年間使用していない土壌で、農薬や化学肥料を使用しないで栽培された、遺伝子組み換えではないコットンであり、それを認証された原料のことである。」と定義づけられています。
ところが市場には、さまざまなオーガニックコットン表示製品が混在しています。
①原料の原綿だけがオーガニック認証を受けているということでオーガニックコットンと表示しているもの
②原料から原綿、綿糸、生地までが、それぞれオーガニック認証を受けているもの
③第三者の認証はなく、栽培や加工の方法からオーガニックと称するにふさわしいと自称しているもの
これらは、消費者に混乱を与えるだけでなくオーガニックコットンへの不信を招きます。すなわち、トレーサビリティが不明確な商品は、消費者の信頼どころか企業体質をも疑われる結果になると言えるでしょう。
【FARM to FASHION:アパレルと生産者をオーガニックでつなぐ】
【(1)生産者とのビジネス】
契約農家や農業団体に当社が開発した技術と資材や機器類を販売し、収穫した綿花を買い取ります。
【(2)アパレルメーカーとのビジネス】
契約農家から仕入れた綿花は 提携工場でコットン(綿花)や綿糸に加工され、Tシャツに加工され、品質に応じた価格でアパレルメーカーに販売されます。
【(3)ローカルビジネス】
集荷された綿花は、紡績されて綿糸として販売されますが一方で、種子は圧搾され油と搾りかすに分離し、油は食用や化粧用として販売し、搾りかすは肥料の原料となります。
種子を有効活用することから得られる収益も農家に還元することにより、児童労働の撲滅にも繋がると考えます。
世界の繊維生産量は約1億1600万トンです。
このうち石油化学合成繊維が約70%の8100万トンを占めます。
植物由来の自然資材である綿花(コットン)の生産量は全体の約22%で2600万トン、オーガニックコットンの生産量は25万トンでコットン全体の1%弱です。生産量が少ないオーガニックコットンですが産業側からの引き合いは強く、2021年に6億3710万米ドルだった市場が2028年には67億3090万米ドルに成長すると予測されています(出典:Fortune Business Insights2024年6月10日)。
計画(グラフ)は南インドにおけるTSIオーガニックコットンプロジェクトのみを前提にしています。
2028年までに計画中の北インドにおけるプロジェクトは時期が未定なため計画には含めていません。
【契約農家とのコットン作付け面積と収穫面積】
【綿糸に加えシードオイルやシードリンターなどの売上合計と利益計画】
数値計画の詳細につきましては、こちらの書面をご覧ください。
新株発行概要書代表取締役 CEO
山村 英司
大手商社グループの内部統制業務を行う傍ら、2011年より地元つくばにて農業を開始。その一方で、世界各国で農業事業を進める。2017年にバングラデシュ翌2018年にベトナム、ロシア、2020年にはリベリア共和国で農業支援プロジェクトを開始。2020年1月にシンコムアグリテック株式会社を創業。
Sustanable Environment and Ecological Development Society , India 創業者
Devadoss Pandian
社会起業家でSEEDS(Sustainable Environment and Ecological Development Society)の創設者。農村部の農業開発、環境保護、災害リスク管理の分野で多くのプロジェクトを展開、特に持続可能な農業と農村コミュニティの経済的な自立を促進する取り組みに力を入れている。
Association for Sarva Seva Farms 幹部
Kumar Laganadan
ASSEFAアシーファ(Association for Sarva Seva Farms)の幹部で55年以上にわたりインドの8州、11,000の村にまたがる総合的な開発プログラムを支援。農民、女性、子供、部族コミュニティの支援に取り組んでいる。
CTO
Nguyễn Viết Trụ
当社CTO、植物病理学者、IPM(Integrated Pest Management・総合的病害虫管理)の専門家として、当社が扱う農作物について、新規開発も含めたあらゆる利用可能な防除技術を検討、経済的な整合性と人間の健康や環境への影響のバランスの最適解を見つかる。ベトナム出身、筑波大学大学院卒。
株式会社TSIホールディングス(東証プライム上場)のプレスリリース
(令和6年3月、当社は下記プレスリリースに記載の茨城県つくば市吾妻二丁目5番地1号より、東京都千代田区神田猿楽町2-8-11VORT水道橋Ⅲ9階に移転致しました。)
8株 100,000円単位
上限募集額を発行する場合 払込金額の総額(上限募集額を発行の場合)50,000,000円のうち、発行諸費用として約10,350,000円を差し引いた後の手取概算額39,650,000円については、①10,000千円~20,000千円を有機肥料、農薬代替飼料、及び土壌改良飼料の調達費に充当②20,000千円~39,650千円を契約農家からの綿花の購入代金に充当します。
目標募集額以上、上限募集額未満の金額を発行する場合 払込金額の総額が、10,000,000円(目標募集額を発行の場合)以上50,000,000円未満であった場合、発行諸費用を除く手取概算額(7,490,000円~39,650,000円未満)については、調達額に応じて上記①②の順位で充当します。
自社による株主名簿管理となります
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。