株式会社Open Health Initiative
デジタルツイン:現実世界の情報をサイバー空間に送り、現実世界を再現するもの。サイバー空間でシミュレーションを行った結果から、現実世界における将来の変化やイベントを予測。これを人体に置き換えると、コンピュータ上にからだの変化を予測シミュレーションするモデルを構築することができる。ここに実際の臨床データを送り込むことにより、個人個人の健康状態や病気の変化及び治療効果の予測に役立てる。
デジタルツインとは、現実世界にある「モノ」や「ヒト」をサイバー空間上に高精度で再現した人工知能プログラムの一種です。このサイバー空間上に再現した存在を「デジタルの双子(デジタルツイン)」と呼びます。現実世界での意思決定に迷った時、デジタルツインを使って色々なシナリオをシミュレーションすることにより、より良い意思決定に導くことができます。
デジタルツインは、自動運転分野、ロボット制御分野など、多くの産業分野別で応用されています。始まりは1960年代のNASAのアポロ宇宙船システムコントロールの「ペアリングモデル」と言われています。アポロ宇宙船システムは地球から遠く離れているために実際に見たりモニターしたりできません。そこでNASAは、デジタルモデルを作り、地球上からシミュレーション分析を行いました。
また最近では、ノーベル物理学賞を受賞することになった、プリンストン大学の真鍋先生の地球温暖化予測の「気候シミュレーションモデル」があります。これは地球上の物理現象をデジタルで再現する地球規模のデジタルツインといえます。
世界的に有名なIT分野の調査・アドバイザー会社ガートナーによるテクノロジートレンド予測で、デジタルツインは2017年から2年連続でトップテン入りを果たし、2019 年には「デジタルツインの採用が主流になりつつある」との調査結果を発表しました。今や、デジタルツインは研究対象にとどまらず、実用化して使いこなす時代に入りつつあります。
医療分野においては、まず個々の臓器の働きをモデル化した臓器のデジタルツインの研究から始まり、疾病の進行や治療による影響をシミュレーションできる患者のデジタルツインへと進化しました(The Economist誌 2019年)。過去の臨床データをもとに、病気の状態の変遷、つまり発病から治療、治癒、再治療の流れを予測するアルゴリズムを構築し、将来の病状や検査値の予測をすることができます。
2019年にはファイザーの元研究者がアルツハイマー病のデジタルツインの研究論文を、2021年には当社(Open Health Initiative、以下OHIと略)と提携しているHolmusk社(シンガポール本社:https://www.holmusk.com)と製薬企業のバイエル社が共同で、慢性腎臓病のデジタルツインに関する研究論文を発表しました。
※参考:慢性腎臓病デジタルツイン:Ramaswamy R_CKD subpopulations defined by risk factors_CPT Pharmacometrics and Systems Pharmacology 2021.
アルツハイマー病デジタルツイン:Fisher CK _Machine learning for comprehensive forecasting of Alzheimer’s Diseases progression_Scientific Reports 2019.
同じ病名でも、患者さんの体質や病態によって病気が進行するスピードや各種治療の効果が異なります。そこでひとりひとりに合わせた医療、即ち「個別化医療」を行いやすい状況が整えば、より効果的な治療を患者さんに提供することができます。
個別化医療は、医療費の削減にも貢献します。日本の医療費は年々増加傾向にあり、2018年度の国民医療費は43兆3949億円と過去最高を更新しました。高齢化による疾病の重症化、複数疾病の併発、多剤併用などによる医療の複雑化と、医療技術の進化に伴う薬剤や機材の高額化が要因といわれています。治療方法が広がり、改善が見込める疾病が増えることは望ましい進展ではありますが、医療費の増大は社会保障の負担として、私達にのしかかってくることになります。「個別化医療」が進めば、医療の最適化が進み、中長期的には医療費高騰の抑制が期待できることから、国・行政による個別化医療推進の動きもさかんになっています。
製薬会社は新薬開発に尽力しているものの、開発コストがかかる上、日の目をみるものは開発品のごく一部です。このまま巨額の新薬開発コストをかけ続け、成功確率も低いままでは、新薬開発に力点を置く製薬企業はいつ破綻してもおかしくありません。
デジタルツインの活用はアンメットニーズ(患者の潜在的な要求・需要)の発見に役立つとともに、臨床開発の効率化と成功確率の向上に寄与し、新薬開発の投資効率を高めることができます。
さらに、薬の臨床開発を行う段階では、デジタルツインの活用により、多くの患者さんの中から該当する方をいち早く探し出して治験に組み入れることで開発を加速化できます。新薬開発を1日早められれば、それだけで数億円の価値が生まれると言われているほど、製薬企業にとって開発のスピードアップは経営に大きなインパクトがある課題なのです。
また晴れて新薬が承認・発売されたあとのフェーズにおいても、デジタルツインはその力を発揮します。医師はデジタルツインのシミュレーション結果を参考にして新薬の投与対象となる患者さんを特定したり、患者さんの治療が予想通り推移しているかを確認することができるようになるでしょう。その結果、製薬企業としては、自社の薬剤をより安心して医師に使っていただけるようになり、適正使用の推進に繋がると考えています。
このように新薬を創るところから販売するところまで、デジタルツインは様々な場面で貢献します。
大きな可能性を秘めているデジタルツインですが、国内での活用はそれほど進んでおらず、海外でも始まったばかりです。デジタルツインの主なユーザーは製薬会社・病院や大学(医療研究者)・自治体がありますが、予算やビジネスモデル上の問題に加え、デジタルツイン開発に必要なリソースを揃える難しさがハードルとなっていました。人体のデジタルツインの実現には、生物学、薬理学、数理学、人工知能など、様々な学問分野の知識が欠かせない上、医療ビッグデータも必要なのです。
医療ビッグデータとは、処方箋や診療記録、治療や手術の内容やその経過が蓄積された膨大な量の電子データで、その多くは健康保険組合や医療機関が保有しています。日本はデータの整備及び利活用が遅れていたものの、近年の法整備により有効かつ効率的な活用体制が構築されつつあります。
2000年から第3次ブームといわれている人工知能については、機械学習・深層学習、自然言語処理、画像・音声認識のテクノロジーが既に活用可能になっていますが、人体デジタルツイン開発においては、これらを有効に活用する専門家が必要となります。
さらに、当然のことですが、最新の医学・医薬知見も欠かせません。医学・医薬エビデンスとデジタルツイン開発チームの知恵を統合することにより病気の進行に関わる諸因子の影響・因果関係をマッピングし、そこで使われる医薬品の薬理作用も含めてシミュレーション・モデルが構築されます。
当社(OHI)は、代表取締役の詫摩をはじめとする経営陣の人工知能・医療・製薬分野における専門性と経験を活かし、人体のデジタルツインの活用に向け取り組んでまいります。
人工知能の開発によく用いられる汎用的な技術の一つに機械学習があります。機械学習の欠点は、出力される結果・結論の説明が難しく、ブラックボックスと言われる点にあります。人工知能が「この人は病気が1年内に悪化する」、「この人には治療法Xがベストである」と結論を出したとしても、「何故その結論になるのか」が説明できなければ、医療者はその結論をそのまま使うことはできません。人工知能の技術は日進月歩ですが、従来の機械学習のみでは因果関係を説明することはできません。
そこで私達は、因果関係を極力保持した新しい方法論として、「ハイブリッド半機構モデル」を選択しました。「ハイブリッド半機構モデル」では、「何故そう予測されるのか?」を説明することが可能になります。
当社(OHI)が用いる半機構モデルとは、個々の患者さんにおける病気の進行や薬の作用をモデル化する技術基盤です。人間の体をシステムとしてモデル化し、そのシステムへの治療介入に対する反応を予測する手法と位置付けられます。当社(OHI)が開発する人体のデジタルツインは、この半機構モデルを医療ビッグデータを使って学習させるというユニークな方法論です。時系列に従い、何がどのように変化するかという病気のメカニズムとそれに影響する諸因子を方程式(常微分方程式)を用いて表現しながら、学術研究で解明されていない細部の症状については、医療ビッグデータと機械学習を活用することで、個々の患者さんの病状、検査値、疾病インベントの発症等の将来の予測が可能になるのです。
この「ハイブリッド半機構モデル」は、非常に専門性の高い解析技術ですが、当社(OHI)は、2020年よりこの分野で最先端の研究を行っているHolmusk社(シンガポール本社、https://www.holmusk.com)と技術提携を行いました。国内唯一の技術を用いながら、因果関係が説明でき、医療従事者・患者・製薬会社がともに安心して活用できるデジタルツインの開発を進めてまいります。
さらに、より多くの患者さんにデジタルツインの恩恵が行き渡るよう、当社(OHI)は「対象とする疾病の数を増やす」「デジタルツインの予測性能を向上させる」「デジタルツインの利活用場面を増やす」の3つに同時並行で取り組み、デジタルツインの商品価値を高めてまいります。
最初は患者数が多く、研究成果の蓄積に富む糖尿病・慢性腎臓病・循環器疾患などの生活習慣病とも言われる慢性疾患から始めます。しかし更に大きな事業機会は自己免疫疾患、精神神経疾患、がんなどの疾病にあると考えていますので、これらの疾病領域におけるデジタルツイン開発にも挑戦してまいります。また予測性能が高まれば、更にデジタルツインを利用したい場面も増えてくるでしょう。製薬会社やアカデミアとの共同研究を通じて活用する医療ビッグデータの幅を広げ、シミュレーションの予測性能を高めます。このような活動を通じ、製薬会社、アカデミア、保険者、医療ICT企業などを包含するヘルスケアエコシステムを構築し、利活用のアイデアを提案し続けることによって利活用の範囲を拡大いたします。
当社(OHI)は先ずは製薬会社や医療研究機関とデジタルツイン開発を進めます。特に製薬企業では、デジタルツインを如何にデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の中核ツールとして活用すべきかについてコンサルティングを提供しながら普及を図ります。また自治体や保険者には個別のデジタルツイン開発も提供しつつ、医療ICT企業と業務提携を行うことで汎用性のあるアプリの開発や日本全国の自治体への普及を図ります。
製薬会社のビジネスの中心には新薬開発があり、直近10年程は毎年45品目ほどの新たな薬剤が市場に出ています*。そのために必要な臨床開発・臨床試験、販売開始後のマーケティングには大きな投資が実施されており、デジタルツインの対象市場となります。製薬会社にとっては、開発投資や営業・マーケティング投資の費用対効果を向上することが大幅な利益増につながるためです。
※New Drug Therapy Approvals (FDA)、Pharmaprojects March 2020 より推計
まずデジタルツインを活用し、臨床試験の設計を変えた時に試験の結果がどう変わりそうかをシミュレーションすることができます。それらのシミュレーション結果を参考に臨床試験の設計を決めることで、新薬開発の成功確率の向上が期待できます。これが実現すれば製薬会社の収益率が大きく向上します。さらには臨床試験に組み入れるべき患者さんの特定を、デジタルツインを活用することによって通常よりも早く行うことが期待できます。それによって開発期間の大幅短縮が見込め、製薬企業としてはより速く新薬を市場に出すことに繋がります。
当社(OHI)としてのマネタイズ方法はいくつかあります。
1) 研修プログラム:ほとんどの製薬企業ではまだデジタルツインの活用方法が全社的には理解されていません。どのような目的で、どんなデジタルツインを開発・活用して、どのような価値を生み出すのか、について研修するプログラムを提供します。
2) フィージビリティ調査:デジタルツインの開発には、開発の目的に適したデータが必要です。このデータの出所としては製薬企業自身、研究機関が蓄積しているデータ、市販されているデータなど色々です。どこのデータを使うと望むデジタルツインが開発できるのかについて、開発に踏み切る前に調査を行います。
3) デジタルツインの開発:ゼロからの開発に対する費用に加え、既に開発されたデジタルツイン(の一部)を活用する場合はその使用料が発生します。
4) 論文発表に向けた追加解析:デジタルツインを用いて研究した結果を論文発表する場合、往々にして追加解析が求められます。
5) アプリケーション開発:開発したデジタルツインを搭載した、医師や患者が使うアプリケーションを必要に応じて開発します。
新薬の研究開発プロセスは、探索研究、前臨床、フェーズ1から3までの臨床開発、市販後調査と6つの段階があります。デジタルツインをどこかのフェーズで一度導入すると、研究開発のステージが進展し、新たなデータが入手されたり、デジタルツインの使用目的が変化するたびにデジタルツインのモデルチェンジが行われることがあり、継続的に収益が発生します。追加の適応症を取得する時も同様です。したがって、収益がより厚くなる構造である点も特徴です。
デジタルツインがその価値を発揮するのは製薬会社に対してだけに限りません。医療費の抑制と、医療の質の向上の両立を目指す国や自治体・保険者や、医療ICT企業もデジタルツインに注目しています。
2013年に、厚生労働省による「データヘルス計画」が開始し、全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析と、それに基づく加入者の健康保持増進に向けた「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組が求められるようになりました。既に埼玉県や広島県呉市など先進的な地では、被保険者をリスク別に分けてターゲットを絞った保健事業の展開や、ポピュレーションアプローチから重症化予防まで網羅的に保健事業を進めるといった事例も生まれています。
さらには、地域医療介護ネットワークの構築により、医療データの内容や量は一層充実しており、デジタルツイン構築・利用の素地が整いつつあるといえます。
当社(OHI)の事業としては、全国1,741の自治体のうち改善意欲が高く十分な予算を割ける地域と協力・提携し、各種疾病の発症や重症化予防に役立つデジタルツインのプロトタイプを作成し、DX企業と共同で開発するアプリケーションを用いたツールや医療システムを全国の自治体へと拡販することで、安定したロイヤリティ収益を獲得する計画です。
コアビジネス・ライセンスビジネスの両方について、最初は啓発とトライアルの機会を重視し、コストベースのプライシングを採ってまいります。普及・認知の状況を見ながら、徐々にバリューベースのプライシングに移行(費用対効果、成果報酬)していくことで、1案件当りの収益性を高める計画です。
毎年発売される新成分を有する新薬およそ45件のうち、デジタルツインを活用できる新薬はおよそ50%と考えられます。また、日の目を見る新薬一品目あたり150億円以上かかると言われている後期開発コスト*のうち、私たちのデジタルツインを活用して効率化できる金額は15~25%と想定しています。その30%をデジタルツインの開発・利活用支援費用として獲得することができれば、それだけで年間159億円規模の市場が見込まれます。さらに、適応追加案件での支援や市販後の営業・マーケティングにまで活用範囲を拡げていく計画です。
※Estimated Research and Development Investment Needed to Bring A New Medicine to Market, 2009-2018 (Journal of American Medical Association)、医薬品開発の期間と費用(日本製薬工業会)よりOHI推計
社会保障/医療財政は今のままでは破綻するのは周知の事実かと思いますが、デジタルツインを活用することで、以下3点が可能となり、医療費抑制に役立ちます。
コロナ感染でもそうですが、「軽症の患者さん達の中から重症化のリスクが高い患者さんを早く特定し、早期に治療適切な治療を施す」ことが重症化に伴う入院、手術、高額医療を回避する為に重要であると言われています。例えば、糖尿病や高血圧の患者さんを治療せずに放置すると人工透析の導入が必要になったり、心筋梗塞を起こして手術が必要になったりします。そうすると高額医療が必要になります。
同じ病名の患者さんでも、有効な治療法が異なることが良くあります。ひとりひとりの患者さんにとって最適な治療を早く選択することができれば、無駄な治療を回避し、できる限り早期に治療効果を上げることができるようになります。デジタルツインの活用によって、最適な治療法を選択する上で、医師にとって有用な情報が提供されます。
折角医師に診てもらっても、治療を継続しない患者さんが多く、色々な病気の重症化の一因となっています。疾病によって異なりますが、最初の1ヶ月で30∼50%の患者さんが治療から脱落してしまいます。皆さんの周りにも多分いらっしゃる「医者嫌い」「病院嫌い」の方を想像してください。このような方々にちゃんと治療を続けていただくのは大変です。デジタルツインを使うと、ちゃんと治療を続けないとどうなるかを可視化することができます。これを治療継続を促す一助として医療者や身の回りの方に活用していただけます。
このように、各種疾病のデジタルツインを治療支援アプリとして現場の医師へ提供することで医療費高騰の抑制が図れます。また、近年医療機関や地域単位で構築されつつある医療介護データベースと連結することにより、リアルタイムで個別化治療の選択に役立つ情報を医療者や患者さんに提供することも可能になります。既に、先進的な自治体(良く知られている所として埼玉県や広島県呉市があります)では、糖尿病性腎症などの重症化予防プログラムを自治体の予算を使って実施しています。この流れは今後他の地域にも波及すると考えられ、また対象疾病も循環器疾患、フレイル、認知症と関連精神疾患などに拡大されていくものと想定しています。
65歳以上の糖尿病、心疾患、脳血管疾患、慢性関節リウマチ、腎疾患などの医療費年間5.2兆円*のうち、個別化治療最適化により治療コストの約10%が削減でき、その15%をデジタルツインの費用として獲得することができれば、対象市場は780億円規模にのぼります。今後の更なる高齢化や技術進化に伴う社会保険・医療財政の逼迫が想定される中、テクノロジーの力で医療費高騰を抑制して参ります。
※国民医療費の概況(厚生労働省)よりOHI推計
当社(OHI)の強みは、製薬業界・医療界に精通した経営力と、優れたデータサイエンスにあります。30年以上、医療や医薬の仕事に関わり、製薬企業の戦略や業務プロセスを熟知している代表取締役の詫摩や取締役の平田をはじめ、生物学とデータサイエンスの双方に専門性を持つシニア・データサイエンティストの竹村、医療や統計解析の専門顧問など、経営 ✕ 医療 ✕ 医薬 ✕ データサイエンスを結集したメンバーにより、事業拡大を目指します。
また、デジタルツインの開発技術を持つHolmusk社と技術提携を行っている点も特徴的です。半機構モデルの開発ノウハウや開発済みのアルゴリズム・ライブラリーなど、海外の進んだ技術も積極的に導入し、内製化を行いながら、最先端の技術を用いたデジタルツインの開発を推進します。
今回の資金調達を通じてまず私たちが行うことはデジタルツインの有用性の実証と啓発です。アカデミア、製薬企業、自治体と初期のパイロット案件を実施し、その成果を発表(学会発表或いは論文掲載)し、個別化医療実現のための方法論として日本の医学会の先生方や製薬業界の方に認めていただくことが重要であると考えています。そのために必要な優れた技術者の採用・育成を進めて参ります。Holmusk社の技術力を最大限発揮するためのトレーニングを実施し、データサイエンスの人材を集中的に補強します。
データサイエンティストの採用・トレーニングを進めて、その成果を学会発表や医学雑誌に投稿することで、製薬企業や自治体が認める有用性を担保できる状態を整え、デジタルツイン案件を拡販します。予算の大きい製薬企業からの受託案件数を伸ばし、デジタルツインの受託開発料の安定的な獲得を狙います。また自治体についても、個別案件を実施すると共に汎用アプリの開発に繋げ、医療ICT企業と協力して幅広い自治体への拡販を目指します。財務的には単年度黒字を達成する計画です。
2027年に株式上場を計画しています。またこの段階ではIPOによる調達資金で新規疾病領域の開拓、海外展開や隣接業種との戦略的提携など、潜在市場の更なる顕在化に向けた活動を進めることになると考えています。
数値計画の詳細につきましては、こちらの書面をご覧ください。
新株発行概要書代表取締役 CEO 創業者
詫摩 直也
35年間の医療・医薬に関わる経験を活かし、当社事業全体のプロデュースをリードします。コンサルティング・ファームのパートナーとして製薬企業や医療機器メーカーの研究開発から販売までをアドバイスする仕事を15年間してきました。また、ベンチャー企業の創業期からIPOまでの修羅場を経験済み。当初年間20億円以上の赤字を出していた会社を新サービス開発によって黒字化し、マザーズ上場を果たした実績があります。
取締役 CFO
大谷 光一郎
金融界における長年の経験を活かし、投資家の目線を持って当社の資金調達やIRをリードします。銀行、官庁、証券会社、外資系投資運用会社などにて、企業向けファイナンス、インベストメントバンキング、資金運用、監督官庁との折衝、スタートアップ企業の資金調達支援、等幅広い業務に携わりました。
取締役 COO
平田 隆弘
日米における大手製薬会社での37年間の豊富な経験を活かし、当社の事業開発をリードします。領域戦略・製品戦略の策定、開発品目の評価、マーケティングおよびメディカルプランの企画・実施、事業開発、営業、自治体との共同プロジェクトなど製薬企業の業務を知り尽くしています。直近では、デジタルヘルス関連ベンチャーの事業開発アドバイザー、ならびに製薬会社や医療ICT企業へのコンサルティングを行ってきました。
シニア・データサイエンティスト
竹村 昌彦(理学博士)
生物学とデータサイエンス双方の専門性を兼ね備えた(珍しい)人です。生物学系論文は14報の掲載実績があります。データサイエンスにおいては主に画像AIのアルゴリズム開発を行ってきました。また、当社が技術を導入したHolmusk社のトレーニングを受け、デジタルツイン開発の第一人者になるべく日々邁進しています。
顧問
高瀬 義昌(医学博士)
当社ビジネスには欠かせない、医療界や行政とのパイプ役です。たかせクリニック院長、昭和大学医学部客員教授、厚生労働省医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ委員、東京都医師会地域包括委員会委員他。当社のターゲット分野の一つでもある、認知症を中心とする高齢者医療が専門で、テレビ、雑誌等のメディアにもよく取り上げられています。
顧問
川崎 洋平(理学博士)
当社が実施する解析の妥当性についてアドバイスを行ないます。医療統計学の専門で、製薬企業の国内外の臨床開発に携わった経験があります。また、アカデミアでは、医師を始めとする医療者や研究者に対するデータサイエンス教育を行っています。千葉大学医学部特任准教授兼生物統計室長、日本赤十字看護大学准教授、埼玉医科大学医学部客員准教授、国立長寿医療研究センター客員研究員。
アドバイザー
Joydeep Sarkar, Ph.D.
当社が開発するデジタルツインの設計をアドバイスします。デジタルツイン開発歴20年。提携先Holmusk社のChief Analytics Officer。
川崎洋平先生(千葉大学医学部特任准教授兼生物統計室長、日本赤十字看護大学准教授)の推薦
人体のデジタルツインは医療でイノベーションを起こす一つの技術として私は期待しています。
2010年以降、デジタルツインの開発に必要な1)医療データ利活用環境の整備、2)機械学習の技術開発、3)定量的システム薬理学の研究、の3つの要素が急速に進展しました 。2015年にはデータベースを使った予測指標の研究に関するガイドラインも発出され、個別患者さんの予後や診断の研究が進みつつあります。しかし、データベース研究において従来より使われている統計解析の方法では、多くの因子が複雑に影響し合う生体システムはなかなか解析しきれません。デジタルツインはこれらを解決できる可能性を持ちます。
また研究のみならず、実践的にもデジタルツインは大いに役に立ちます。例えばですが、デジタルツインで現実の医療現場を仮想空間上に投影することで、医療に関わる様々な職種の人達が現場の問題についてオンラインで議論して改善につなげることができるようになります。また現実の患者さんについて、その患者さんを担当する医療者のみならず、他院のその疾患のエキスパートも、まるでその患者さんを一緒に診察し治療方針を考えてくれるような状況を作り出すことができ、患者さんにとっても個別化医療の促進に繋がります。
このように、デジタルツインを実装することで、日々進歩する医療のデータを収集して医薬品開発や研究などに用いるだけでなく、現場のデータに対して多方面から具体的にアプローチをすることもできます。従って、株式会社Open Health Initiativeは今後の医療DXを牽引する担い手であると考えます。
高瀬義昌先生(医学博士、たかせクリニック院長、昭和大学医学部客員教授、厚生労働省医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ委員、東京都医師会地域包括委員会委員他)の推薦
地域医療の現場で高齢者を診ていますと、標準化された医療が通用する部分も当然ありますが、個別化医療の必要性を身に染みて感じます。OHIが作るデジタルツインは個別の患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上にとても有用であると感じます。また、多職種の医療者や患者様のご家族が協働して患者様本人の治療や介護に当たる際の共通の方向性を指し示す為の重要なツールになると思いますし、医療費の適正配分に繋がるものと考えます。
詫摩氏は個人的にも医療やクリニックの経営などで悩んだ時にも相談に乗って貰っている長年の友人です。好奇心に富んでいて、新しいことにも怖がらずにチャレンジして行けるタイプの人間です。彼とOHIの今後の活躍に大いに期待しています。
50株 100,000円単位
払込金額の総額(上限募集額を発行の場合)5,000万円のうち、発行諸費用として約968万円を差し引いた後の手取概算額4,032万円は、デジタルツイン開発のためのデータ購入費用及び開発人件費、並びに販売のための人件費に充当します。
払込金額の総額が1,000万円(目標募集額を発行の場合)以上4,990万円以下であった場合、発行諸費用を除く手取概算額(747万円~4,024万円)は、上記と同様にデジタルツイン開発のためのデータ購入費及び開発人件費に、並びに販売のための人件費に充当しますがその量、人数を調整します。
自社による株主名簿管理となります。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。発行会社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスクの軽減策を講じるとともに、発生した場合の対応に努める方針としていますが、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご理解いただきたくお願い申し上げます。
以下において、発行会社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。